今週は、「つばきの会」の瀧本先生からお預かりしたお手紙を「情報every」の中で何度かご紹介しました。
「つばきの会」は、市内の視覚障がい者さんに向けて、市の広報を朗読したカセットテープを配るボランティア団体さんです。
私の記憶が確かなら、もう10年近く活動されているのではないでしょうか。
災害FMでも広報を読んでいるんですが、一日ですべて読み切るということはしていません。
つばきの会さんで収録した広報テープを長年楽しみにしている視覚障がい者さんも多いので、広報の朗読はつばきの会さんと棲み分けをしてるような状態でお届けしています。
先月、このブログでもご紹介したのですが、視覚障がい者さんは、震災で町が一変し、道路も家も店も以前とは違いますから、白杖を持っての散歩や、買い物などにもなかなか出られなくなって、自宅や仮設住宅に引きこもりがちだということで、そういうお仲間に外出や会合への出席を呼びかけたいとわざわざスタジオを訪ねて来てくださったのが、視覚障がいをお持ちの高田の佐々木さんでした。
たまたま共通の知人などもいて、しばしお話しをさせていただく時間があったのですが、災害FMをやりたいと思ったときにまず最初に考えたのが、視覚障がい者さんのことでした。
避難所や仮設で情報不足になっているだろうなと思ったので、そういった方々に向けて情報発信をしたいなと考えました。
でも、町が壊滅し、外出困難に陥っていることまでは考えが及びませんでした…。
高田町以外では、何度かお散歩されている方を見かけていたので、日常の光景のように捉えていた面があったかと思います。
でも、高田町内は歩けず、歩き慣れない農免道を散歩するということはちょっと現実的ではありません。農免道は歩道もなく、今では車通りも多く、以前とは違うからです。
佐々木さんが「最近はなかなか外出できないんだよ」と言われたときに、「あ!」とようやく気づいた次第です…。
佐々木さんは瀧本先生を通して呼びかけの文書を届けるから読んでもらえれば、と言って帰られました。
ということで、今週瀧本先生からお預かりしましたので、1日2回の生放送「情報every」の中でご紹介していました。
戸羽市長も年頭の挨拶で、「障がい者さんが出歩ける町を作りたい」と強い決意を述べられていました。まったくその通りだと思います。
誰もが快適に暮らせる町。
誰もが安全に避難できる町。
この陸前高田がそういった町になっていけばいいな、いや、そうしていかないといけないな、と思いました。
それが生かされた私たちの仕事でもあるのかなと思います。
個人的には町の発展のために大きなことはできませんので、何か小さなことからでも実行していけたらと思った1週間でした。
おかげさまで陸前高田災害FMも開局から1ヶ月が過ぎました。
失敗もありながら、市民の皆さん、全国のリスナーさんに支えられ、なんとか放送をしてきました。
今後も頑張って情報をお伝えしていきますので、率直なご意見・ご感想などいただけたらと思います。今回の佐々木さんのように、市民生活に必要と思われる情報は広くお伝えしていきますので。
今後ともよろしくお願いいたします。