12月24日、20時から20時59分まで、IBCラジオさんとの共同制作番組「さんりく元気ラジオ・スペシャル ~ラジソンin三陸臨時スタジオ」を今年は竹駒町の細根沢仮設住宅の談話室からお送りしました。
日中は私とIBCの大塚富夫アナで、デイサービスや被災し再開したおそばやさん、奇跡の一本松周辺など市内を取材してまわりましたが、大塚さんのインタビューするところを間近で見て勉強させていただきました。
また、夕方には陸前高田災害FMにもサプライズ出演をしてくださり、ほぼお一人で15分間も、陸前高田への熱い思いを語ってくださいました。いろいろな思いを話してくださったことはもちろんですが、なんと大塚さん、これまでのアナウンサー人生で系列局以外の他局に出演したのはこれが初めてだということで、本当に光栄、うれしい限りでした。
そして、夜。
放送前から仮設の住民の方々が集まって来てくださり、和やかに番組がスタートしました。
代表して松坂区長さんにも出演していただき、現在の復興状況や仮設住宅の課題や今後のことなどをお話してくださいました。松坂さんは、復興した陸前高田を背負っていくであろう子ども達の居場所、遊ぶ場所の必要性を訴えました。
目に見えるハード面での復興はもちろんだけれど、住民それぞれの気持ちソフト面については、一人一人違って、前を向いて歩きだした人もいれば、まだ立ち上がることができない人もいる。そんな住民の皆さんの話に耳を傾ける傾聴ボランティアの活動をされている盛岡市の千葉さんにもきていただき、活動の現状やこれまでみてきた被災者の変化について話していただきました。
リスナーさんからも次々とメールが寄せられ紹介しきれないほどでした。スタジオでの話や寄せられたメールからは、震災から2年9か月が経過した今の、確実に前に進んでいると思える部分とそうでない部分が垣間見えたようなそんな気がしました。
翌朝には『昨夜のラジオ聴いたよ』とうれしい電話をいただきました。その方は震災後、内陸に移り生活されている方です。『俺は、逃げてきたから何も言えないけど、高田はまだまだ時間がかかりそうだ。大変だけど頑張ってな』と言ってくれました。
以前にも、やはり高田を離れて暮らしている方に『高田を捨ててきたわけじゃないけれど…』と言われたことがありました。
それぞれ事情があってここを離れただけで、好き好んで離れたわけではありません。逃げてもいないし捨ててもいません。震災がなければ離れることはなかったと思います。
震災は、たくさんの人の人生を大きく変えてしまいました。このことは陸前高田に限らず、被災地域全体に言えることだと思います。
でも、高田を離れている方達がラジオから地元の話を聴き、ふるさとに思いを馳せることができたのなら、こんなうれしいことはありません。これからも月に一度の『さんりく元気ラジオ』のコーナーで、陸前高田のことを県内の皆さんにお伝えしていきたいとあらためて思いました。
細根沢仮設住宅の皆さん、取材に協力していただいた皆さん、そして大塚さんはじめ番組スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
パーソナリティ阿部裕美