広田湾漁協副組合長の小泉豊太郎さん(画像後列右はし)は平成8年から個人でエゾイシカゲガイの養殖を始めました。当初の出荷量は100キロ程度でした。その後生産者が増え、震災前は気仙支所で6名、米崎・小友支所で6名の方々が養殖をしていました。出荷量も増え、さあこれからという時に東日本大震災。特にも2011年はできがよく、生産者の皆さんは数か月後の出荷をとても楽しみにしていたそうです。
震災により、養殖設備や作業場、船などを流失し、大きな被害を受けましたが、気仙支所の生産者5名の皆さんは平成24年から種付けをし2年半かけて育て、やっと出荷の日を迎えました。
出荷の前日(7/1)、気仙町福伏地区にある要谷漁港では朝から忙しく水揚げ作業が行われていました。
今回出荷されるエゾイシカゲガイは、震災の翌年2012年の春に種付けをしたものです。種は天然採苗で小さな小さな稚貝を砂の中から選別・採苗するのだそうです。そこから始まり、出荷サイズの5.5センチまで約2年半かけて育てました。
発泡スチロールの容器に砂と稚貝を入れて海の中につるして育てます。夏と冬の寒い時期に一旦揚げてきて、砂を取り替え、貝が成育しやすい環境を整えるという作業を繰り返すのだそうです。
「これまでは育てる作業だったけど、出荷がはじまると浜に活気が戻る。浜に活気が戻ると
そして迎えた7月2日、復活の日。
まるで空も祝福しているかのような青空の下、広田湾漁協気仙支所において『イシカゲガイ初出荷出発式』が行われました。生産者さんや関係者、戸羽市長と久保田副市長も駆けつけました。
出発式では、最初にエゾイシカゲガイの養殖を手がけた広田湾漁協副組合長の小泉豊太郎さんや戸羽市長などがあいさつをしました。
震災前までは、築地など中央では『石垣貝』と呼ばれ流通していたそうですが、正式名称は『エゾイシカゲガイ』。このエゾイシカゲガイを活きたまま出荷しているのは全国で広田湾漁協のみです。今後はエゾイシカゲガイで出荷し、陸前高田ブランドの一つとしてさらにPR していくということです。
すし店や料亭、居酒屋などで見かけた際には、ぜひ味わってみてください!